彼らは船に乗ったんだ

昨日、やっとスペシャくるり特番を見た。
何が恐ろしいって、JUBILEEのPV、見慣れたら結構いいかも、と思ってしまったこと(笑)
ウィーンでのレコーディング風景や日本でのウィーン(?)料理屋でにゃっきーと共に英語のみで会話しつつ料理を堪能するシーンが合間に挟み込まれつつ、二人のインタビュー。
話をしている岸田さんがとても落ち着いた表情をしているなと。そこからも今回のアルバムに対する自信や満足度が伺えるよ。
新曲も後ろに流れていて、どの曲もいい感じでますます発売が楽しみになった。
JUBILEEの話で、歌詞に悩んだ時に現地スタッフに相談をしたら、この曲のメロディには景色があるから、それを書いてみればとアドバイスされて出来たのがあの歌詞らしい。
「その文の意味より、メロディを補佐する歌詞」
そして、この曲で見えた景色を淡々と語る岸田さん。それを聞いていて、泣きました。

JUBILEEで見えた景色は大きな河らしい。
今まで眺めていただけだったのに、遂に船に乗るべきタイミングが来て乗ったら、今までいたとこも見えなくなって、周りが闇になって、何かをしたいと旅に出たけどそれが何かわからなくなり、ヤバいという強迫観念だけはあり、でも朝がびっくりするほどきれいで、蛇行して大きくなった河の朝はとてもきれいで感激するけれども、そこで終わりではなくまだまだ続いていく。その続いていくのがJUBILEEのアウトロらしい。
その景色が今のくるりの状態なんだな、と思ったら涙が止まらなかった。
いろいろなことがあったけど、そこで出てきたメロディ。そのメロディで見えた景色でメロディを補佐する言葉を付けたら、くるりの歌詞にはよくある「別れ」だったけど、でも今までとは違うのが、それに「歓喜」という感情が添えられたこと。
毎回毎回新たな表情を見せるくるりだけど、また一つ抜けたんだな。
本当に止まらないんだな。
昔は移動手段を手に入れるために澄むことの無い河の中に飛び込んでいたのにね。船に乗ったか。

そして今日MUSICAを購入。見開きに船の先頭に乗る二人を後ろから写した写真。風を受けて船は進んでいる。この写真を見て、岸田さんの話とかぶった。JUBILEEのアウトロの風景はこんな感じじゃないんだろうか。この船は一体どこまで進むんだろう?
どんな見たことのない景色を見せてくれるんだろうね。見たことのない景色を見せてほしいよ。その船の進路をずって見ていきたいよ。