さぁティータイム 夜明けのティータイム

遅ればせながら買いました。

D.I.Y.H.i.G.E.

D.I.Y.H.i.G.E.

前二作とは違う髭ちゃんのセルフプロデュースのアルバムがどう始まるかと思ったら、予想外のしっとりした始まり二曲でびっくりした!ピーナッツやカオスはにぎにぎしく始まったポップなアルバムだったものね。今回も髭ちゃんの持ち味のカラフルさは健在だけど、サイケフィールドでのカラフルさという感じ。まどろみの中でゆらゆらと音に漂う。いやはや全くもって大好きな雰囲気だー
そんなサイケな感じが強く感じるのは斉藤さんのギターによるところも大きいよね。全体的に前のアルバムより斉藤さんの浮遊感あふれる歪んだギターが全編に鳴り響いていて、それがまたゆらゆらときもちいい。

それにしてもダイアリーと家には驚いた。歌詞が、須藤さんが今まであまり出してこようとしなかった素の部分が濃厚に出ていて、そしてそんな曲が最初に来てるんだもんなー。音の雰囲気も今までと違うしね。私は髭ちゃんのメンバーが聴いてきたような洋楽をあまり聴いてないので、多分そこら辺の影響が出ている音だとは思うのだけど、自分が最初に感じたのは70年代な雰囲気がするなぁと。まあ、70年代の洋楽にも決して明るくはないのですが笑、すごく懐かしい雰囲気。色褪せた午後の光が差し込む全体的に薄黄色い部屋。揺れるカーテン。そんな景色が浮かんできたよ。

アルバムタイトルにもなってるD.I.Y.H.i.G.E.(そういえば、曲名がアルバムタイトルになってるのって初めてだ!)は、ライブでも聴いてかっこいいと思ったけど、音源でもかっこいい!そして頭に残る疾走感。病みつきになります。二回目のエフェクトかけた後の部分、タイトロープ、と入る瞬間の勢いがとてつもなくかっこいい。

いろいろ驚くアルバムだけど、ママのジュースがとても良くなっていたことにもびっくりだよ。普通にいい曲じゃないすか。しかもアルバム内で最長の7分という長さ!この曲もゆらゆら仕上がり。このアルバムに入っているのを聴いて大好きになったよ。昨年の3月のツアーの時、散々悪く言ってごめん!笑 生まれ変わったこの曲をライブで早く聴いてみたいウフフフー
「部屋の数を数えてる 何度数えても2つ 奥に進めば進むだけほらウフフフー」
の歌詞が好き。というかすごい。いっちゃってる歌詞だけど、こういうのを音に乗せるという須藤さんのセンスがすばらしい。こう見ると、3月の時点での歌詞は本当にやっつけ仕事だよね…笑 まんまチェッカーズだったし。

夢でさよならはまさかこんなにバージョンが違うとは思わなかったよ。シンプルになったけど、こちらの方が断然いいです。シングルバージョンだったら、曲の雰囲気がこのアルバムの中では浮いていただろうね。

ラストを飾るミスター・タンブリンマン。予想通りの名曲。今までも須藤さんのロマンチストな部分がストレートに出てる曲はあったけど、これはそんな部分を持ちつつ、今まであまり無かったようなストーリー性も感じられるよ。家といいダイアリーといい、今回は素な感じが色濃い!でも、次のアルバムにはまったくそんな素の部分が無いという可能性もすごくありえるよね笑
君の星座見つけたのあたりなんて、もーめちゃくちゃベタベタであざといぐらいの展開なんですが、そこでまんまとぐっと来てしまう。あいもかわらず髭ちゃんには踊らされっぱなしなのです。

最初の二曲に70年代の海外の匂いを感じてましたが、ミスタータンブリンマンの場合は、70年代の少女まんがの世界の匂いを感じましたよ。こんなこと感じるのは自分くらいだろうけど笑
前からそれは薄々感じていたけど(A-haというタイトルとかね)、タンブリンマンの夜明けのティータイムとか、カタカナで綴られている英単語の雰囲気がそう感じる。*1
そんな雰囲気を感じるけど、けして古臭いわけでもない。そんな須藤さんのセンスを含め、髭ちゃんは本当におもしろいバンドだなぁ。

今回、ジャケット画はあれですが、ブックレットはよかった。歌詞が須藤さんがノートに書いた手書きなのがね。セトリらしきものや、ポニョ(て書いてあるけど…笑)の絵とか、はしにちらりと他の曲の歌詞が見えたりと、曲を作るときの須藤さんが垣間見れるような気がしてとても興味深い。これもいつもは見せてなかった素な部分を出してるね。

そういえば、初めて曲のタイトルがフルアルバムのタイトルになってるけど、D.I.Y.H.i.G.E.ってこのアルバム全体に漂うサイケデリックな雰囲気とは異なる曲だよね笑 やはり髭ちゃんは一筋縄ではいかないね。
前とは雰囲気は変わってきているけれども、やはり自分にとっては興味深く夢中になれる音を出すバンドなんだよなー。新木場のライブが本当に楽しみだ。まぁ一応あさってにもライヴありますが、JASONだから新曲はそれほどやらなくていいや 笑

*1:具体的に言うと、70年代の三原順の作品に通ずる雰囲気。