あなたが講師ですから!

それは数日前。yさんから「シブヤ大学の入場券が余ってしまったので行きませんか?」とのメールが。はて?その大学は初耳ですよ?つうか、欣ちゃん講師って、何!?
これらしい。
しまった…最近、京都バンドやエイチアイジーイーにうつつ抜かしていて、職場そばでこんな授業があるとは!重要なとこのチェックが抜けていたよ。二つ返事で行きますと返信。なんなら願書書きます!証明写真も取ってきますよ!健康診断は必要ですか!な勢い。(嘘)
当日、三時半過ぎに会場の渋谷タワレコに到着。渡された整理券は50番台…意外に早い。それにこれは座れちゃう?(喜)←年寄り
タワレコで試聴しまくったり、お茶をしたりと時間をつぶしたあと会場へ。いつもライブ見ているここで、今日は座っているのが変な感じ。ロングシーズンレビューのDVDがスクリーンに映し出されていて、それを見ていたら授業開始のチャイムが鳴る。
フィッシュマンズ全書の編集もしている小野島大が今回の講師。初めてみたけど、あんなごつい感じの人だとは知らなかった。
そして特別講師の欣ちゃんが登場するわけだけど…久々に近くで見る欣ちゃんに思わず目を輝かしてしまった(笑)久々のときめきですよ。あぁそのシャツまだ着てるんだねぇ的なことを思ったりもしたけど(笑)*1講義の内容は、全書が出たばかりというのもあってか、もはや講義というよりfishmansの結成からを語っていくトークショーとなっていた。まあ、欣ちゃん自体、誰が講師か全くわかってなく、生徒に向かって「講師?」と聞いていたし(笑)
そんな内容だったけど、欣ちゃんが自ら語るとこを生で聞けるなんて滅多に無い体験だったので、聞いたことある話も多かったけどとても面白かったし興味深かった。でも、最初から結構細かく語っていたので、90分の講義時間内に収まりきらなくなりそうになり後半ははしょっていた。最初の調子で細かくやるには後二回は最低必要だ(笑)なんとなく覚えていること。(微妙に違っているのもあるかも・・・)
大学で初めて佐藤君に会った時、こんな人がいるんだと衝撃を受けた。
一つ上の学年だった佐藤君は、同学年の人たちにも「先生」と呼ばれていた。
デビューの話が来た時、佐藤君とならやっていけると思った。
一枚目はかなりストイックで、二枚目の方がデビューアルバムっぽい。
100ミリだけのちょっと、のタイアップの話の時はいろいろ注文が来て、途中英語詞にしろと言われた。
ネオヤンキーズホリデーの意味を問われた時に、「どんな意味なんだろ?」と逆に小野島さんに聞き返す欣ちゃん(笑)もちろん小野島さんは即答で「知らねーよ!!」と(笑)
でも意味はある、佐藤君と小嶋謙介、二人の間でヤンキーチックなのが流行っていた。
最初はどんな路線で行くか決まってなく、ネオアコかロックステディかという感じだった。
小野島さん「U2だったら、空中キャンプを出したら五年は次を出さない」という話から、ナイトクルージングをボノ調に歌い上げる欣ちゃん(笑)
宇宙日本世田谷で佐藤君が作ってきたデモの完成度がとても高く、譲と二人で「これどうしようか?」となった。
フジロックは最高だった。
なんてことをいろいろ。もっと大事なこと言っていたけど、思い出せない…(涙)
そんな話をいつもの調子で話す欣ちゃん。
ちょっと思い出せない、みたいなことを言うことが何回かあったけど、でも、まるでついこないだ起きたばかりのようにその時その時のことを、饒舌に語る欣ちゃん。その様子がとても楽しそうで、その欣ちゃんの様子や話の内容がキラキラとしたイメージを思い浮かばせる。
欣ちゃんは本当にfishmansが大事だったんだな、というのが手に取るようにわかる。
途中、ひこうきとナイトクルージングをかけていて、久々の大音量に聞くfishmansにどきっとした。ナイトクルージングの時なんて、胸がすごくざわついた。とても久々の感覚だ。このざわつく感じを呼び起こしたのも、大音量で聴く佐藤さんの声だからだ。あーライブ見たい…。どうしようもないけどさ。
曲がかかった時、絶対やるなと思っていたものが案の定見れた。欣ちゃんのエアギター(笑)ひこうきのギターソロをかなり熱く演じていた。あとはドラム叩いたり、歌ったりと欣ちゃん熱中。欣ちゃん、自分達がやっている曲なのに、まるで大ファンだなー。いや、欣ちゃんはきっと大ファンに違いない(笑)そんな人なのを久々に再確認。
話が一通り盛り上がった後、小野島さんが「佐藤君がいなくなってどう感じた?」的な質問を欣ちゃんに投げ掛けた時、急に欣ちゃんのトーンが変わった。今までの饒舌さが急に雲隠れし、顔付きも変わり言葉を探している感じ。そして、出てきた言葉に胸をしめつけられた。
「佐藤君がいなくなって誓ったことは、佐藤君は33才だったんだけど、34才35才、と見れなかった光景を佐藤君に報告していこうと」
「予想していなかったけど、時が経つごとにつらい。」
「今一番佐藤君とくだらない話がしたい。」
「あの音楽かどうとかこのバンドはどうとか聞きたい」
欣ちゃんは基本的にポジティブな人だから、見えているその姿がその人のすべてではないとわかっているけど、この発言には軽くショックを受けた。欣ちゃんが寂しげな表情を浮かべてぽつりぽつりと吐き出すその言葉に胸がぎゅーっとなり泣きそうになる。
その後は欣ちゃんもいつもの調子に戻ったけどね。私は若干涙目。
もし佐藤さんが生きていたら、今はどんな曲を作っていたと思う?みたいな質問には、「使う言葉がもっと自由になっていたと思う」と。佐藤さんの中で禁じていた言葉の数が少なくなって、もっといろんな言葉を使うようになっていたのではないか、と欣ちゃんは語っていた。それはつまり欣ちゃんもそう感じているんだろうなぁ。欣ちゃんは歌詞を書くわけでは無いけど、年を取っていろんな垣根が自然に取り除けられて、いろんなことに対して受け入れられるようになったんだろうね。大事な仲間を亡くしてしまったけど、今新たな仲間と大好きな音楽を全身でやっていけている欣ちゃん、いい年の取り方をしているんだなぁとしみじみ。
最後にフィッシュマンズの今後の活動は?と聞かれ、やるかもしれないし、やらないかもしれないみたいなことを言っていた。私は佐藤さんのいないフィッシュマンズなんて・・・・と思っているけど、でも欣ちゃんがやることに関しては何でも受け入れるよ、今日見ていてそう思った。私はフィッシュマンズも大好きだけど、同時に欣ちゃんの大ファンでもあるからね(笑)
本当に今日のイベントは充実した内容だった。譲ってくれたyさん、ありがとう!

*1:一緒に行った人にも後で「あの服は一体?」と軽くダメ出しをくらったけど。