確かに名代

今の通勤のお供はこちら。

勝海舟(一) (新潮文庫)

勝海舟(一) (新潮文庫)

こんなジャケではないですが。
読むの何回目かなぁ。確か20代前半の頃に初めて読んだ。で多分四回ぐらい読んでいるのでは…。最近はあまりだけど本を読むのは好きな方。でも、いろいろ読みまくるタイプでは無く気に入ったのを何回も繰り返し読んでしまう。なので大好きなこの本もそういうことになっている。
何が好きって、ちゃきちゃきな江戸っ子の勝父子がいいんだよねぇ。べらんめぇ口調には馴染みがないけど、こうやって読んでいると自分もそんな口調になりそう(笑)会話をかっことじしないで書いてあるのも多いので、小気味良く読めてしまう。最初は慣れなかったけど(笑)視点がなんか暖かいんだよねぇ。作者も一緒にその光景を見て、一緒に喜んだり、怒ったりしている感じ。
一巻の最後の方では麟太郎が長崎伝習に行くんだけど、丁度今日の帰りの電車の中で読み終えた。で、ふと目を上げてみたら、網棚の上の紙袋が目に入る。カステラ屋の紙袋で、東京にも支店があるけど、長崎が本店らしい。ふーーん、創業寛永元年か・・・・・と思った瞬間、さっき読んだ文が頭に浮かんだ。本を取り出し、その一節を探し出して驚いた。

「この山の口の足袋屋は、同じところの福砂屋の加須庭羅(カステラ)と共に知られて名代は、麟太郎もとっくに知っている」

うわ!この紙袋のお店も福砂屋ってなってるんですけど!
すごいー。そんな時代からあったのか、この店!まぁこの話書かれたのはもっと後なんだけどねぇ。でも昭和16年から新聞連載されていたものだからすごい昔か。
変な偶然に驚いた。