でも、これは書く。

昨日見たBS-i唐招提寺の番組は面白かった。
ご本尊の国宝、盧舎那仏坐像。
http://www.tbs.co.jp/p-guide/daiji/about/03_01.html
これがどのようにはるばる東京までやってきたのか、チケットを手に入れた時からすごい不思議でした。
新幹線?(乗りません)
大仏魂の様に徒歩移動?(電動では無いです。おそらく)
そんな私のホワイ?にこの番組が答えてくれました。
まぁ、普通に特殊梱包&特殊箱で特殊トレーラーによる車輸送だったんですけど。
でも、東京に至るまでの過程が大変。
なんせ8世紀にお生まれなので、かなりのダメージが来ているご本尊。
薄紙(和紙)で、丁寧に丁寧に梱包。
これでもか、これでもかと巻いていきます。
(布だと繊維が引っかかり、ただでさえ少ない金箔が剥がれてしまうそうです。和紙だと湿度的にもいい感じらしい)
左手は取り外し可能なので外されてましたが、右手は構造上取り外し不可なのでそのままぐるぐる巻き!
首の部分も作りが薄いらしく、もう巻いているのを見ているだけで「ポロンっといっちゃわない?」とハラハラドキドキ。
そしてまるごとすっぽり箱に入れ、日通による日本に数台しか無い特殊トレーラーに乗せ(助手席にはお坊さんも乗せ)、出発!
でも、出た瞬間手ごわい敵が・・・・。
唐招提寺のすぐ前の松の木(やや斜めに生えている)が道をややふさいでいるんですよね。
その松を意識していたら、箱に反対側の木がぶつかってる!ああっ!
まぁ、それぐらいは大丈夫なんでしょうけどね。
でも国宝ですから!
インター毎に荷物の点検をするんですけど、もちろん箱を開けることは出来ず、留めている紐を確認するぐらい。
あぁ、気が気じゃないよ・・・・。
その巨大な箱を載せ、トレーラーは走る。
仏像が時速○kmで移動中!
海沿いの道を走る図も。
「初めての海だね」
「でも、箱のあの向きじゃ海に背中向けてるよね」
海は帰路で見てください。
そして、この道のりで最大の敵が登場。
箱根トンネル!
箱根トンネルの高さより30cmぐらい低いだけの仏像箱・・・・。
うわ!ギリギリだよ!
このトンネルがあるから、トレーラーもかなり車高低いタイプらしい。
それもなんとか乗り越えられてましたが、帰りも通るんだよね・・・・。
そして、図は変わり東京。国立博物館前。
博物館職員、関係者一同が薄暗い中、玄関前にて大勢でお出迎え。
普段はありえないことらしい。
やはり尊い方ですからね。
皆さん、かなり緊張した面持ちで緊迫感が漂っています。
そして、この大輸送プロジェクトチームの日通の方々も大勢いらしてます。
・・・日通の方々のお顔、ちょっと緊迫感が欠けているように見えるのは何故なんでしょう?(笑)
そんな方々が待ち構える中、道の向こうにあの箱の姿が!
・・・・あぁ、この番組を見ているだけの私でも感無量になったのに、この人々の気持ちなんて、この何倍の気持ちを抱いたんだろうなぁ。
そして、トレーラーから下ろされ、建物の中へ。
奈良と東京の気候の違いから、二週間後、ご本尊が東京の湿度になじんでから、梱包を取ったらしいです。
はぁぁぁ、頭下がりっぱなしです。


近々、見に行く予定ですが、この番組を見ていて本当に良かった。
鑑真和上がこの国に来るのに並々ならぬ苦労を重ねてましたが、今なら数時間で来れちゃうんですよね・・・。
でも、こんな今の時代でもご本尊を運ぶのにこんなに時間と労力をかけているとは!
まぁ、この時代だからこそ、ご本尊を東京で見れるんですけどね。
今度、この廬舎那仏と向き合ってきます。
そういえば、この番組のBGMが和風アレンジインスト曲いろいろだったんだけど、盧舎那仏移動中のBGMはそんな感じの「昴」で、しかも「♪わ〜れは行く〜」という部分だった。
そんな仏様、いやだ…